大手サービス業の人事部では部内で検討した50代社員の戦力化策を盛り込んだ企画書を社長に提案した。だが、社長は書類を途中で机の上に投げつけ、こう言い放った。

「何がベテランの有効活用だ、おまえらはいったい何を考えているんだ。こんなことに金を使うより、こいつらを辞めさせて若いやつを採るのがおまえたちの仕事だろ」

上場企業の社員の平均年齢はすでに40歳を超え、2016年からの10年間に約340万人の50代非管理職層が生まれると推定されている(従業員1000人以上)。人手不足が叫ばれ、管理職ポストが減少する中、50代社員の活性化は急務だ。ところが大企業の中には50歳以降のシニア社員の活躍を期待していないどころか、お荷物扱いする経営者もいる。

それだけではない。多くの日本企業にはシニア社員の仕事への意欲を失わせる制度や仕組みが存在する。管理職層は全体として仕事のやりがいを感じている人のほうが多いが、非管理職層の40代以降はやりがいを感じていない人が過半数を超え、50代は55.3%に達している。

(注)係長/一般社員は計310人、部長/課長は125人の調査 (出所)ジェイフィール

組織・人事コンサルティング会社ジェイフィール取締役の片岡裕司コンサルタントは「新入社員は入社時に5年で主任、10年で係長を経て課長、部長に昇進していく標準昇格モデルを提示される。だが今や課長になれる人は30%と標準でも何でもない。同じ会社で40年働くとすれば30年間は係長のままであり、大半の人が規格外の負け組になってしまっている。組織が持つポテンシャルを最大限に発揮させるのが人事の仕事だとすれば、それが機能していないことは明らかだ」と指摘する。

肩たたきのためのセカンドキャリア研修

プラスの視点 アクセスランキング バックナンバー一覧 TOP