「投資としては大成功だった」。英投資ファンド、ペルミラの日本統括責任者である藤井良太郎氏は、満足げにそう語った。

回転ずしチェーン首位あきんどスシローと、同5位の元気寿司は9月29日に、経営統合に向けた協議を始めると公表した。コメ卸最大手の神明が10月から11月の2回に分けてスシローの親会社(スシローグローバルホールディングス、以下スシローGH)株の約33%を筆頭株主のペルミラからおよそ380億円かけて取得。40.5%を出資する子会社の元気寿司との統合を進める。

ペルミラは日系投資ファンドから負債を含め約800億円でスシローを取得。同社が持ち株会社スシローGHに移行してからも98%を保有していた。今年3月にスシローGHが再上場した際に持ち分の76%を放出、そして今回残りの株式を神明に譲渡する。ペルミラは合計で約1200億円で売却した計算になる。

出資は「食革命」の一環

再上場以降、残りの保有株式をめぐりペルミラにはさまざまな買い取り提案があった。「取引銀行の紹介や問い合わせを含めると、10社近くアプローチがあった」(藤井氏)。国内外のファンドだけでなく、中国系企業も触手を伸ばしてきた。神明より高値の提案をした企業もある。

神明の藤尾益雄社長がペルミラと最初に接触したのは6月。スシローは全農パールライスからコメの供給を受けていて、神明との取引関係はなく、飛び込みのような状態だった。東京・赤坂のペルミラ日本法人の応接室で、藤尾社長は持論である日本の食文化改革やコメの消費拡大策の必要性について、1時間以上の熱弁を振るった。スシローへの経営参画は、その食革命の一環だという。藤尾社長はその後もペルミラに何度も足を運ぶ執念を見せた。

プラスの視点 アクセスランキング バックナンバー一覧 TOP