小池都知事に“排除”された民進党リベラル派のメンバーを集め、新党を結成した枝野氏(時事)

衆議院解散とともに、最大野党だった民進党が事実上分裂し、政党の戦列は混沌としたまま総選挙に突入することになりそうである。安倍晋三首相が解散方針を表明した9月25日から1週間、野党側で私自身が経験したり関係者から聞いたりしたことを整理しておきたい。

9月26日、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(以下市民連合)を代表して私と数名のメンバーは、4野党の幹事長、書記局長と会談し、総選挙における小選挙区候補の一本化と7項目の共通政策骨子を提言する要望書を手交した。共産、自由、社民の各党だけではなく、民進党幹事長からも、基本的に同意できるので、要請の実現に向けて努力したいとの回答を得た。市民連合を媒介とした野党のブリッジ共闘の枠組みができたと私は判断した。

しかし、同日夜、新聞記者から民進党の前原誠司代表が、連合の神津里季生会長とともに小池百合子東京都知事と会談するという話を聞き、私の楽観は一転した。民進党執行部は小池新党と連携し、従来の野党協力を解消し、リベラル派を切り捨てるという方針を追求するのかと、暗澹(あんたん)たる気分となった。

27日、小池知事が希望の党代表に就任するとの記者会見が行われた。民進党の総選挙候補者は、すべて希望の党から公認を得て立候補するという前原代表の方針が表明された。

28日、衆議院解散。その後の民進党両院議員総会で、衆議院議員および候補者がすべて希望の党へ移行して総選挙を戦うという前原提案が了承された。

29日、小池氏は民進党からの公認申請者について、憲法、安全保障に関する見解が異なるリベラル派を排除すると明言した。これにより、民進党内のリベラル派は無所属で出る、新党を結成するなど新たな対応の模索を始めた。

30日、民進党リベラル派と連合は前原氏に対して、希望の党の排除方針を撤回させるべく話し合うよう求めたが、希望の党からは反応はなかった。

10月1日、新党結成か希望の党への合流かをめぐって、リベラル派の中での模索が続いた。NHKの「日曜討論」で、希望の党の若狭勝氏が、この総選挙で一気に政権交代を実現することは無理と発言し、この党の戦略が明確でないことが露呈した。

10月2日、枝野幸男氏を中心として、リベラル派の新党、立憲民主党が立ち上げられることになった。連合も、旧民進党所属の議員について現在の所属にかかわらず、個別に推薦するという方針を決めた。

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