週刊東洋経済 2017年10/21号
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日本の代表的な輸出産業が転換期を迎える(写真はイメージ)(撮影:大澤 誠)

»»Part1|ガソリン車に吹く逆風

日本経済を揺るがすEV時代の地殻変動

規制を追い風に世界中がEV化へ舵を切る。自動車産業に依存する日本経済の行方は。

電気自動車(EV)化の世界的なうねりが日本経済を襲おうとしている。EVショックの震源地は中国だ。

9月、天津市で開かれた自動車フォーラムで、中国の政府高官が、「ガソリン車の販売禁止の時期を検討している」とコメント。世界最大市場の高官による観測気球は、自動車関係者に波紋を広げた。

デロイト トーマツ コンサルティングの試算によれば、地球温暖化を2℃以内に抑制するという目標を達成するためには、世界の新車販売を2050年までにすべてEVなどの次世代車に置き換えなければならない。とりわけ中国やインドなど大気汚染や二酸化炭素(CO2)排出量が深刻な新興国では、ZEV(排ガスゼロ車)の割合を高める必要がある。

補助金などの政策後押しで、中国は今や世界最大のEVマーケットになった。20年にはEVなど次世代車の累計販売500万台を目標に掲げる。中国は地球温暖化の対策計画を定めたパリ協定への参加を表明しており、冒頭の中国高官の発言は一見、環境問題への対応策に思える。

だが、中国のCO2削減計画はあくまで方便。みずほ銀行国際営業部の湯進(タンジン)主任研究員は真の狙いを「EV化で(先進国中心の)自動車産業をスタートラインに戻し、競争しやすくするため」と見る。

中国が仕掛けるゲームチェンジ

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