2003年から08年にかけて一時急増した後、いったんは落ち着いていたかに見えた薬学部や薬科大学の新設の動きが、ここへきて再燃し始めた。

山口県の山陽小野田市立山口東京理科大学薬学部(定員120人)が18年4月に開学予定のほか、和歌山県では和歌山県立医科大学薬学部(21年4月開設予定、定員100人)の計画が進行している。

両県は共に県内に薬学部が存在しない「空白県」。「県内高校生の県外への大学進学率(流出率)は全国一高く、県南部を中心に薬剤師不足も深刻化していた」(和歌山県庁)。認可はまだ先とはいえ、新設に寄せる地元の期待は大きい。

一方、同じ空白県である長野県では、新潟薬科大学が同県上田市に薬学部新設を計画していたが、地元の県薬剤師会の反対に遭って頓挫した。同大の寺田弘学長は「上田は厚生労働省も注目する医薬分業のモデル地域で、地元の経済効果も見込めた。長野を一種の実験場に、新たな薬学部を作ろうと思っていたのに」と残念がる。

新設計画が相次ぎ、一見活気に満ちているかのように思える薬学部だが、いずれも薬剤師不足に悩む地方の計画。学部が集中する首都圏大学の関係者は先行きに対する危機感が強い。

薬学部人気は景気次第 高い学費がハードル

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