9月初め、北朝鮮の核実験に端を発した危機は、思えばエスカレートの一途だった。10月に入って、事態はやや鎮静化したであろうか。10日の朝鮮労働党結成72周年の記念日にも、新たな挑発はなかった。ようやく落ち着いてきている。

そんな蔭に隠れて、あまり目立たなかったかもしれない。北朝鮮の記念日とちょうど同じ10月10日に、中韓通貨スワップの期限が来ていたのである。

この中韓通貨スワップについては、今年2月18日号の小欄第11回で少し言及したことがある。まだ文在寅(ムンジェイン)政権が発足する前の話であり、当時の当局者も継続には、なお楽観的であった。

反対姿勢だった中国

しかし以後の朝鮮半島をめぐる危機の深まりは、周知のとおり。それにともなうTHAAD(地上配備型ミサイル防衛システム)配備をめぐって、中韓関係は悪化の一途をたどった。韓国経済は対中依存度が高かったから、苦境に陥っている。

もっとも、THAAD問題に関するかぎり、中国側は徹頭徹尾、反対の姿勢であった。むしろ腰のすわっていないのは韓国側で、THAAD配備に対し、朴槿恵(パククネ)政権の時から右顧左眄(うこさべん)、文政権になっても、その姿はあまりかわらない。中国の立場からすれば、そんな相手にすすんで譲歩するなど、思いもよらないだろう。

そのため、10月10日に期限の来る中韓通貨スワップも、その延長には悲観的な観測がひろがっていた。実際10日・11日の時点では「韓国は延長を求めていたが」、「中国が期限内に応じなかった」との報道が流れたのである。

ところが、10月12日に延長更新で合意、と発表がなされたから、少し驚いた。韓国側の勝利というべきなのだろうか。しかしそれなら、なぜ期限内にまとまらなかったのか。二日の空白が意味するものはよくわからない。合意はフェイクという観測もある。

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