CDPが10月24日に東京都内で開催した2017年版レポートの報告会。会場は満席になった(撮影:田所千代美)
2017年日本版年次報告書

英国のNGO(非政府組織)が発表した、地球環境分野における企業の情報開示への評価が、世界の投資家の注目を集めている。

英NGOのCDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)は10月24日、気候変動対策と水利用分野での2017年の日本版年次報告書を公表した。

最も優れた取り組みをしている「Aリスト」企業として、ソニーやトヨタ自動車など、気候変動分野で13社、水分野で12社を選定した。ソニーや三菱電機などは、両分野で2年連続のAランクを維持する一方、リコーなどが新たにAランク入りしている。

同日の表彰式で登壇したソニーの今村昌志執行役は「新型の家庭用ゲーム機で、消費電力を初代機と比べて34%削減できた」と成果をアピール。リコーの山下良則社長は「2050年にバリューチェーン全体で二酸化炭素排出ネットゼロの目標を掲げた」と説明した。

背景に欧米投資家

CDPによる評価には、企業のCSR(企業の社会的責任)担当者のみならず、機関投資家も注目している。

ここ数年、企業が開示した地球環境(E)や社会との関係(S)、企業のガバナンス(G)に関する情報を基にしたESG投資が世界規模で広がりを見せている。

ESG投資は1990年代から提唱されてきた社会的責任投資(SRI)の一分野で、国際連合などの後押しもあり、欧米の機関投資家の間で定着しつつある。そこで投資判断の重要な材料となっているのが、CDPが収集した企業の情報だ。

CDPによる気候変動分野での取り組みに賛同署名している投資家は全世界で800社を超え、その運用資産総額は100兆ドルに達している。

すでに、欧米の有力機関投資家はCDPの情報を基にESG投資に組み入れる銘柄を決めたり、CDPが開発した株価指数を用いて投資を行ったりしている。

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