街が発展する要因の一つに「新陳代謝」がある。街に大勢の人が出入りすることだ。人間の体に例えるなら、つねに不要な老廃物が体外に排出され、新しい血液が体内に注がれるようなイメージだろうか。

なぜ、新陳代謝が活発であると街が発展するのか。それは不動産が大いに「動く」からである。

新しく街にやってきた人たちは、外出して家財道具を買う。新しい店を見つける。外食もする。そして街の消費が活発になるのだ。新住民が増えれば、それを目当てに新しい店も出店する。好循環が街の発展に寄与することになる。

この視点から眺めると、街の健康状態がよくわかる。今回は新陳代謝が活発な街として、神奈川県川崎市を取り上げよう。

川崎市は東京都との境目にある。いわば東京と横浜の接着剤のような位置づけである。多摩川の河口から川沿いに北西にさかのぼり、北は調布市、西は多摩市と隣接。市域は東西に細長く、北から小田急線、東急の田園都市線、東横線、JRの横須賀線、東海道線が市内を横切る。一方で市内を東西に貫くのはJR南武線しかない。

人口は現在約150万人。約30年前の1988年は約114万人だったから、毎年約1万人強増加している。しかし数値をよく見ると、この1年間での転入者は9万3583人、転出者は8万7096人。人口の12%もの「入れ替え」が行われていることがわかる。

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