緊張の続く北朝鮮状勢をどう見るべきか。朝鮮半島研究の第一人者に、情勢の見方と展望を聞いた。

小此木政夫 慶応義塾大学名誉教授
おこのぎ・まさお●1945年群馬県伊勢崎市生まれ。慶応義塾大学法学部卒、同大大学院博士課程単位取得退学。同大教授、法学部長などを務める。『朝鮮戦争─米国の介入過程』など。(撮影:今井康一)

──北朝鮮の核・ミサイル開発が進んでいます。

中国などの核兵器と比べて北朝鮮のそれに脅威を感じるのは、北朝鮮が分断国家であり、経済的に失敗した国だからだ。圧力を受けて崩壊するのを北朝鮮が甘受するか、不安があるからだ。

──なぜここまで開発が進んでしまったのでしょうか。

米国に「北朝鮮は早期に崩壊する」という誤解があったためだ。クリントン政権以降、歴代政権の政策に、これが通底していた。

──解決できない壁は何ですか。

それは、日米韓に「不都合な真実」があることだ。北朝鮮に武力行使しなければ核開発は止まらないが、実行すれば米国の同盟国に大きな被害が及ぶ。本当に武力行使ということになったら、日本もそれに明確に反対しなければいけない。日韓に大きな被害があったら、東アジアはどうなるか。誰も責任を取れない。

不都合な真実は北朝鮮にもある。北朝鮮が獲得する核抑止力は初歩的なものであり、孤立し、経済封鎖された国家がそれで生き残れるかどうかわからない。ただし、その不安は中長期的なものだ。

──北朝鮮への経済制裁は効果的でしょうか。

今回の経済制裁はそうとう効果的だ。しかし、最終段階に入った核ミサイル開発を止められるだろうか。北朝鮮は「草を食(は)んでも」完成させるだろう。

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