今年は日本株が復活に向けてスピードを加速させる年となるだろう。

図表1を見ていただきたい。これは日経平均株価の1980年代後半からの推移と、米国ダウ工業株30種平均の20年代後半からの推移を重ねたものである。

[図表1]
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85年前の米国市場を簡単に振り返ろう。空前の株式ブームの中、米国株は29年9月に381ドルという当時の最高値を記録した。しかし、その翌月に起きた「暗黒の木曜日」の暴落が世界恐慌の引き金を引き、そこからは長期の低迷相場に陥る。最安値は32年の41ドル。暗黒の木曜日以前の最高値を回復したのは、25年2カ月後の54年11月のことだった。

続いて日本株。日経平均がバブル期ピーク3万8915円を記録した89年12月から数えて25年2カ月後となるのが、今年2月である。片や最高値更新、片やピーク比半値以下と株価水準はまったく違うが、相場を時間軸で見直すと、極めて意味深長なポイントを迎えていることがわかる。

投資家が入れ替わり 本格回復相場を形成

25年という日柄にどのような意味があるのか。最も重要なポイントは投資家の世代交代だろう。「バブルとその反動恐慌」という歴史的にも希有な出来事に遭遇した投資家のほとんどが市場から退場し、新しい投資家と入れ替わる。これは本格的な回復相場を形成するための必須条件だが、そのためには四半世紀という長い年月が必要なのである。

このグラフを作成したSMBC日興証券チーフテクニカルアナリストの吉野豊氏も、「25年は極端なリスク回避指向の終焉など投資家のマインド変化にとって意味のある期間」と見る。機関投資家では、今やバブル期を経験した運用担当者がほとんどいなくなっており、プロの現場も様変わりしている。

テクニカル分析で見ても、日経平均は小泉改革相場時の2003年安値から07年7月高値にかけての上昇幅1万0654円を超す値幅が、09年3月安値以降に出現した。これは「相場が大転換したことを物語るシグナル」と吉野氏は指摘する。96年以降、上値を抑えた抵抗線も突破した。

この大転換を株式の需給面から支えるのが国内投資家だ。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などは国内株比率を引き上げており、年間2兆円超の株式購入資金の流入につながる、とみられている。

少額投資非課税制度(NISA)の非課税枠拡大や「子どもNISA」が16年から実施される見通しとなっていることもあり、個人投資家の裾野も広がりそうだ。

資金需給面以上に効果が大きいのが、広い意味での投資家心理への働きかけだろう。金融庁、東京証券取引所が上場企業に対するコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)策定を進めているが、社外取締役選任などを含む同指針は日本株への投資価値見直しに帰結する。また、過去最高水準にある配当金、自社株買いは15年度もピーク更新が見込まれる。「ROE(自己資本利益率)向上」というスローガンを軸に、株主還元ブームが経営者の間でさらに広がりを見せようとしている。

しかも、株主還元の裏づけとなる企業業績は、円安進展に加え、原油価格下落の恩恵を受けて15年度も過去最高利益を更新すると期待される。日本株の魅力はこれまで以上に高まっていると言える。

今年は地方創生政策が重要テーマになる

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