売上高30億円のバイオベンチャーだが、昨年はいすゞ自動車、武田薬品工業との提携を発表。それ以前にも大手の商社や小売り、バイオジェット燃料ではJXホールディングス、日立製作所、ANAホールディングスなどと提携している。ユーグレナが扱う「ミドリムシ」の強みとは何か。出雲充社長に聞いた。

いずも・みつる●1980年生まれ。2002年東京大学卒。東京三菱銀行を1年で退職し、2005年8月ユーグレナを設立。(撮影:今井康一)

──東証マザーズ上場を果たしてからわずか2年で、昨年12月に1部市場へ移行した。

準備を始めたのは、マザーズ上場から1年経った頃からだと思う。東証1部の収益基準が厳しいことは知っていたが、赤字が当たり前と思われているバイオベンチャーでも、きちんと収益を上げられるという事例を作りたいと思った。また、健康食品として、バイオ燃料などのエネルギー資源として、二酸化炭素の吸着という環境対策ツールとして、ミドリムシの可能性に対する期待が高まっていたこともある。

──上場前の2010年9月期から黒字だが、売上高の伸びほど利益が増えていない。

まず、ミドリムシは虫ではなく、コンブやワカメと同じ藻の仲間だということを認知していただかなければならない。そのうえで、59種類もの栄養素を含む健康によい食品で、医薬品、バイオ燃料といった多様な可能性を持つとの理解を広めていく。

日本市場での正確な認知度は、現時点でようやく40%を少し超えたところ。これが51%を超えると、あとは自然に任せても先入観はなくなっていく。そこに至るまでは、利益が出れば広告宣伝に回す。今年は資金とエネルギーを投下するヤマ場だと思っている。それ以降は、ヘルスケア関連のM&Aなどで売り上げは拡大する方向だが、バイオ燃料など研究開発投資が増える時期に入る。そのため、利益水準の大幅な拡大はしばらく難しい。

──13年に公募増資で調達した76億円は、どのように使うのか。

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