岡藤社長(右)は会見で三井物産、三菱商事追撃への意欲を鮮明にした(時事)

伊藤忠商事が中国で大きな賭けに出た。2014年7月に資本提携したタイのチャロン・ポカパン(CP)グループと組み中国の国有コングロマリット、中国中信股フン(CITIC)に1兆2040億円を投資。伊藤忠とCPの合弁会社がCITIC株の23.4%を取得する。

香港に上場するCITICは、中国政府が100%出資する中信集団の中核子会社だ。このディールに伊藤忠は約6000億円を投じるが、基本的に銀行借り入れで賄う予定。1月20日に資本提携の発表会見に臨んだ岡藤正広・伊藤忠社長は、「伊藤忠の総資産は三菱商事の半分、三井物産の3分の2でしかない。上位2社に追いつくには、優良資産の積み上げが必要だ」と語った。

CITICのような大規模な国有企業について、中国政府が20%を超える比率の株を単一企業、しかも外資に渡すことは異例だ。一般の国有企業は国有企業監督管理委員会が所管しているが、CITICは財政部(財務省に相当)の縄張り。その財政部は、CPと伊藤忠の提案に対して、中信集団(イコール政府)の保有比率を7割以上に保つことを主張した。

もともとCITIC株の21%を政府以外の株主が持っており、財政部の言い分をのめば伊藤忠・CP連合が取得できる株式は10%以下だ。これでは両社の合弁はCITICに持ち分法を適用できず、もちろん伊藤忠の連結決算にも反映されない。

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