今年、ASEAN(東南アジア諸国連合)が経済統合する。ここ数年、日本企業は中国離れの一環としてASEANシフトを加速させた。それはそれで結構だが、ASEANと中国の関係は日本以上に緊迫している。

ASEANシフトは決して“中国フリー”ではないのだ。

中国のASEAN政策を端的に言えば「政治・経済両面で支配する」ことだ。ASEAN諸国は中国のプレゼンスに困惑する一方で、一昨年あたりからは中国経済の減速が自国経済に影を落としており、その関係は何とも複雑なのである。

たとえば小国ラオス。中国への資源輸出が止まり、資金が枯渇している。政府は為替取引を制限しているが、それでもラオスがデフォルト(債務不履行)していないのは、最大の貸手である中国が「返せ」と言わないからだ。

中国は債務返済を猶予する代わりに、ラオスから中国の南下政策への支持を取り付け、中国資本がラオスの土地を所有することも黙認させているのだ。ついでにラオスが北朝鮮の友好国であることから、同国経由で北朝鮮情報を取っている、とのうわさもある。

まさか、北タイ進攻!?

数年前までは、ミャンマーが中国の一番のお気に入りだった。ミャンマーの資源確保はもちろんだが、中国の潜在的な脅威=インドと隣接する地政学的な位置は何ものにも代えがたいのだ。で、中国はがんがん投資した。軍事政権でさえ「このままでは中国の属国になってしまう」との恐怖を抱くほどに。

スーチーさんという“魔法の杖”を使い、西側に向けて扉を開けたのは、中国を抑えるためだったのだろう。

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