いま世界で最も刺激的、かつ注目を集める経済学者が、フランスからやってきた。彼の名は、トマ・ピケティ。弱冠43歳のパリ経済学校教授だ。

ピケティが歴史的なデータ収集などに約15年の歳月をかけた『21世紀の資本』の英語版は昨年4月に公刊。700ページを超える学術書にもかかわらず、たちまちアマゾンの総合売り上げランキング1位に躍り出た。現在までに十数カ国で累計100万部を突破し、昨年末に発売された日本語版も13万部に迫っている。

講演会など、ピケティの行く先々では人だかりができる。ノーベル賞経済学者のジョージ・アカロフは「彼は、ロックスター経済学者の仲間入りをした」と同僚に紹介した。英『エコノミスト』誌も「過去2世紀の経済の歴史に対する人々の考え方に革命をもたらすだろう」と絶賛する。

(撮影:福川有仁・パリ在住)

ピケティはいつもノーネクタイでフレンドリー、知的な雰囲気で相手を魅了するタイプだ。しかしその気さくな感じとは裏腹に、彼の研究内容や問題意識は「過激」で、至る所で論争を巻き起こしている。

研究は、極めてセンシティブな問題を扱っている。税務当局の保有するデータを活用し、富裕層の資本(富)や所得の状況を丸裸にし、彼らがいかに国民全体の富や所得を独占しているかを明らかにするのである。

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