中国初の空母「遼寧」の実力は読みにくい。写真は同艦に着艦する艦載機「殲15」(2012年11月撮影)(時事)

1月12日、東京都内の防衛研究所において、海上連絡メカニズムに関する日中協議が行われた。防衛当局間の課長級協議である。2012年9月の日本政府による尖閣諸島購入に中国が抗議して中断されていた事務レベル協議が、およそ2年半ぶりに再開されたものだ。

海上連絡メカニズムは、海上や空中での偶発的な衝突を避けるために、日中防衛当局者が緊急時に連絡を取り合う仕組みである。中谷元・防衛大臣は記者会見で、「技術的な問題などを協議し、一定の共通認識に達した」と述べている。「技術的な問題」の協議だったのは、海上連絡メカニズムの構築はすでに合意事項だからだ。内容もほぼ決まっている。ホットラインの設置や、洋上における相互通信などである。

報道によれば、防衛省は「早ければ今年の夏ごろ、遅くとも年内には、運用を開始したい」意向だ。危機は今この瞬間に生起するかもしれないからである。昨年11月の日中首脳会談の際に、唯一具体的に議論されたのが海上連絡メカニズムであることは、不測の軍事衝突に対する日中双方の危機感をうかがわせる。

そもそも中国が日中首脳会談を受け入れたのは、当面の間は日中政治関係が改善しないという認識の下、協力や危機回避に関する議論ができなければ国益を大きく損なう、という危機感があったためだ。中国の政府機関では、首脳会談が実施されなければ、あらゆるレベルの日中会談が実施できないからである。

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