国税職員は採用によって、三つの階層に分かれている。上級職試験(現在は総合職試験)の合格者で財務省から出向している財務省キャリア(省キャリ)、上級職試験合格者で国税庁に採用となった国税庁キャリア(庁キャリ)、そして、国税専門官試験(大卒)と税務職員試験(高卒)で各地の国税局に採用となったノンキャリアである。

省キャリは国税庁本庁の課長以上のポストと国税局の主要なポストを独占する。庁キャリは40代以降は国税庁の課長ポストを省キャリと分け合い、その後、少数ながら国税局長になる者もいる。ノンキャリの最終ゴールは税務署長。署長になれるのは同期のうち1割~2割だ。ノンキャリで国税局長にまで上り詰めるケースもあるがそれは極めてまれ。ピラミッド型の人事構造と、課税権を行使するという権力機構のため、国税組織は厳しい縦社会だ。

[図表1]
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部門が違うと書類さえ違ってくる

ノンキャリは20~30代に調査官の肩書(徴税部門は徴収官)を得て税務署の一線に立つ。と同時にどの部門に配属されたかで、ほとんどの職員はその後のコースが決まる。個人課税、法人課税、資産課税、徴収といった部門のことを国税職員は「系統」と呼んでいる。

この系統は国税組織の縦割りを象徴しており、ある税理士によると、「報告書の書き方、書類の様式、用紙の色もすべてバラバラ」と驚くほど。専門性を磨くにはよいが、別部門の業務はほとんど知らないという状況を生んでいるという。

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