富裕層、起業家を引き付けるシンガポールの魅力とは

「相続税が、すべての土地を処分しなければ払えないほど高額だったんです」。川上道夫さん(仮名、60代)は、シンガポールの中心地からやや離れた住宅街にある日本料理店ですしをつまみながら、シンガポール移住を決意した経緯を話してくれた。

川上さんは東京都内で先祖代々受け継いできた土地を守る「大地主」だった。母親の死で相続に直面したのが1990年代前半。バブル経済の崩壊で不動産価格が急落し始めていたにもかかわらず、相続税評価額は高止まりしたままだった。

土地を切り売りして何とか払い終えたが、「手元には相続前の資産の1割も残らなかった」という。その後、遅くに生まれた娘の成長を見ながら、相続を再び意識するようになった。

「娘には同じ苦労をさせたくない。処分が難しい貸し地もまだあるので、このままだと娘が住む所さえなくなるかもしれない」

危機感を募らせた川上さんは相続対策について税理士に相談。すると、海外移住による節税方法を教えられた。親子とも5年以上、海外に住み非居住者と認められれば、海外資産の贈与、相続に対して日本からは課税されない。しかも、移り住んだ国が贈与税、相続税のない「タックスヘイブン」であれば、資産を丸々娘に受け継がせることができる。

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