一口に外貨といっても、米ドルやユーロ、ブラジルレアルなど通貨の種類は多い。通貨の発行国によって経済状況が違うため、当然、金利や値動きのパターンはそれぞれ異なる。このため、短期的な為替差益を狙うのか、長期的なインフレリスクに備え資産防衛したいのかで、選択する通貨が変わってくる。

国際通貨基金(IMF)の調べによると、昨年9月末時点で世界各国政府の外貨準備では米ドルが62%と、圧倒的なシェアを占めた。ユーロが23%で2位につけ、日本円と英ポンドはともに約4%、カナダドルと豪ドルが各2%弱と続く。これらは世界的に信認された安定通貨であり、預金をはじめとする外貨投資の対象になる通貨といえる。

[図表1]
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米国利上げでドル高 最も魅力的な投資先

外貨預金はかつて大手邦銀や米シティバンクなど特定の外国銀行だけが扱っていたが、今では地方銀行も含め、大半の銀行が営業に力を入れている。中でも外貨投資の入り口となるのは米ドルだろう。超大国、米国の経済力を背景に、事実上の基軸通貨の地位を保っており、資産の分散先としては好適だ。

しかも、今年は政策金利の引き上げが見込まれる。雇用や消費といった経済指標が上向き、米ダウ工業株30種平均が史上最高値圏にあるため、米国金融当局は不況時の緊急避難策として導入したゼロ金利政策を解除するタイミングをうかがっている。最強通貨であるドルの金利が上がれば、世界中から資金が米国に集まり、為替の流れはドル高と予想する市場参加者が多い。

ゼロ金利政策の影響で、ドル預金金利は日本円定期と同様に、1年物定期で0.1%を下回るなど空前の低水準にある。米国連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は大幅な金利引き上げを強く否定しており、市場の予想どおりに利上げが実施されても金利の急騰は望みにくい。金利収入よりも円安・ドル高による為替差益を狙ったり、円安進行による資産の目減りを避けたりするのが目的なら、米ドルは最も魅力的な投資先といえそうだ。

外貨預金のネックは割高な手数料。円からドルに換えるときと、ドルから円に戻すときにそれぞれ1円の為替手数料を取られ、預金利息は簡単に吹き飛ぶ。ただ、三菱東京UFJ銀行が、窓口で1円の為替手数料をネットバンキングでは25銭に割り引くキャンペーンを行うなど、ドルの両替手数料は値崩れしつつある。

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