不動産など海外資産については相続制度にも注意したい

おそらく日本国内で海外資産を相続する人のほとんどが、相続した海外資産の処分時にかかるコストの法外な高さに仰天するはずだ。海外資産を換金し日本に送金するのには、通常たいへんな手間や費用がかかる。残された遺産の額によっては、「日本で課された相続税と処分に要したコストを差し引くと手元にはまったく残らなかった」となりかねない。

実際に次のようなケースがあった。ある顧客が亡くなったとき、海外の証券会社に約800万円の上場株式を保有していた。相続人は、株式を換金して日本に送金してもらうことを望み、取引のあった日本の証券会社に相談した。

だが、証券会社の担当者は何も手を打たず歳月だけが過ぎていった。現地での遺産処理の手続きとその後の処分に莫大なコストがかかるとわかっていたので、二の足を踏んでいたのだ。最終的には現地の弁護士のサポートを得て、遺産処理の手続き後に株式を処分できたが、弁護士に依頼してからさらに1年半の時間と300万~400万円の費用がかかった。

そもそも日本と海外の国々とでは、相続税の有無より前に、相続をめぐる制度や仕組みが基本的なところから異なっていることを知っておく必要がある。その代表例が米国の「プロベート」だろう。

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