「金融政策は確実に実体経済に影響を及ぼしますが、その効果の波及には順番があり、それなりの時間がかかります。(中略)好循環がさらに進展することを、希望を持ってお待ちいただきたい」

日本銀行の岩田規久男副総裁は2月4日の講演で、2013年4月に導入した量的・質的金融緩和(QQE)の効果が出るにはまだ時間がかかるとした。岩田副総裁は13年8月の講演でも、「いましばらくQQEの効果を見守っていただきたい」と述べていた。

しかし、昨年12月の消費者物価上昇率は、前年同月比0.5%(生鮮食品、消費税の影響を除く)。エコノミストのコンセンサス予想では15年度は0.59%、16年度は1.28%の見通し。「2年で2%」実現のはずが、15年度はおろか、16年度になっても物価目標は達成できそうもない。

甘利明・経済再生担当相が「もっとアローワンスをとっていいのではないか」と述べたように、物価一辺倒の日銀に、最近は政府からも距離を置く発言が聞かれる。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「5年先でも2%は達成できない。リフレ派が首相と日銀総裁の座にあるかぎり、延々と追加緩和を繰り返しながら、目標達成時期を先送りするゲームが続く」と予想する。仮に日銀が買い入れる国債が枯渇しても、地方債やRMBSなど、追加緩和の手段はまだあると上野氏は言う。

そんな中、日銀にリフレ派が結集しつつある。2月5日には早稲田大学の原田泰教授を新たな審議委員に充てる人事案が国会に提示された。

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