凍土壁に使われる配管の工事をする作業員。高線量の中での作業だ(提供:東京電力)

40年ともそれ以上ともいわれる東京電力・福島第一原子力発電所の廃炉作業。その難しさは、同じく炉心溶融(メルトダウン)を起こした米国のスリーマイル島原発事故の比ではない。

汚染水を入れたタンクが立ち並ぶ福島第一原発。廃炉作業は緒に就いたばかり(写真:JMPA)

スリーマイルでは原子炉圧力容器の底が抜けなかったために、通常の定期検査と同じく圧力容器を冠水させる方法で溶け落ちた燃料(デブリ)を取り出せた。これに対して福島第一の場合は、1~3号機のすべてで圧力容器が破損したうえ、その外側を覆う格納容器にも損傷が広がっている。それ故、冠水させて燃料を取り出すとしたら、格納容器まで水につけないといけない。

しかし原子炉には配管などを通すための貫通部が数百カ所もあるといわれ、伸縮性のある継ぎ手部分やハッチのシール部など水漏れにつながりやすい所も数多くある。それらを高い放射線量の中ですべてふさぐことは不可能に近い。

原子力損害賠償・廃炉等支援機構で廃炉技術を担当する福田俊彦執行役員は、「2014年に廃炉のための技術戦略プランを策定した当時は水で冷やしながら取り出すのが手堅いと考えていた」と話す。そのうえで、冠水工法ができない場合に備えて気中での取り出しも選択肢として挙げていたが、「実際に判断する時点ではどちらもイーブンになる可能性が高そうだ」(福田氏)という。

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