日本経済を歴史的に引っ張ってきた2大産業が、電機と自動車だ。だが、すでに地盤沈下していた電機は東芝、シャープの凋落で見る影もない。

一方、2012年末からの円安を追い風にして、自動車メーカーは軒並み過去最高益を更新。特にトヨタ自動車は販売台数で1000万台を超え世界一に上り詰め、純利益は2兆円を突破するなど、明白な1強となっている。

日本経済の自動車産業への依存度は高まるばかりだ。それは事実上、トヨタ頼みを意味している。そんなトヨタを引っ張るのが、就任からまもなく丸7年となる豊田章男社長だ。

10年、米下院公聴会に出席後、公衆の面前で涙を見せ“ひ弱”だと揶揄された豊田社長。ところがひ弱などころか、リーマンショック、米国での大規模リコール問題、東日本大震災など次々と襲いかかる逆境を乗り越え、実績を積み上げてきた。

単に好業績をたたき出すだけではない。拡大路線をいったん休止し、経営基盤の強化を優先。この間にトヨタグループの再編、業界内での複数の提携、大規模な組織改革など、大胆な手を打ってきた。

グループ再編では、関東自動車工業やトヨタ車体、ダイハツ工業といった上場子会社の完全子会社化を決断し、部品メーカー各社の事業再編にも踏み出した。いずれも長年の課題だったものだ。一方でグループ外でも、マツダ、米テスラモーターズ、独BMWなどと矢継ぎ早に提携を結んだ。うまくいかないものがあっても構わずトライを続ける。

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