中国の高成長が演出してきた資源バブルのうたげが終わった。フィナーレを飾ったのが三菱商事、三井物産の連結赤字転落だ。いずれも史上初めてのことである。

経営環境の激変を象徴するのは、チリにある銅鉱山権益アングロ・アメリカン・スール(AAS)だ。

長らく英資源メジャーが虎の子として保有してきたが、それを三菱商事、三井物産が奪い合い、最後は共に出資することを決めたのは2011〜12年にかけてだった。「あれは世界最優良の銅資産だった。それは間違いない」と三井物産の安永竜夫社長は言う。

最大の銅鉱石生産国であるチリの中でも、AASは世界最大級の銅鉱山として知られた。資源事業に強い三菱商事、三井物産2社にとっては絶好の掘り出し物とみられた。だからこそ三菱商事は当時のレートでおよそ4000億円、三井物産は同じく2000億円をこの案件にぽんと投じたのだ。

「当時、あの案件を危ないという声は社内になかった」(三井物産幹部)。5年後に銅価格が半値以下になってしまうとは、みな夢想だにしなかった。その結果、両社は巨額の減損に追い込まれた。

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