イランが昨夏、米中など6カ国と結んだ核問題に関する「最終合意」が成果を生んでいる。

1月半ば、米海軍の哨戒船がイラン海域のペルシャ湾に迷い込んだ際、乗務員は一時的に拘束されたが、速やかに解放された。また同時期、イランは米国人捕虜5人を解放。合意に沿って低濃縮ウランを国外に搬出したほか、経済制裁の解除で世界の原油市場にも再参入した。

米国とイランとの関係には課題が山積している。また米国は、サウジアラビアなどスンニ派アラブ諸国との関係でも課題を抱えている。そうした中、シーア派の大国イランが米国に協力姿勢を示したことの意味合いは大きい。米国は今後、イランの核合意の順守を注意深く監視していく必要がある。

しかし、イランが核放棄に向けて歩み出しても、まだ核保有を目指す国が残っている。北朝鮮だ。同国は2003年、米国や日中韓などと6カ国協議を開始した。2年後には核開発放棄を盛り込んだ共同声明を採択したが、結局義務を果たさず、交渉は行き詰まってしまった。

北朝鮮は今、核協定への交渉にほとんど関心を示していない。それどころか金正恩(キムジョンウン)第1書記は、科学者やエンジニアたちに核兵器開発を加速するよう促しているともいわれる。たとえ孤立状態に陥っても、世界を恐怖に陥れたいという思想に取りつかれているようだ。

同国は1月6日、核実験を成功させたといわれる。現地報道によると実験に用いたのは水素爆弾ではなく、十分な爆発力を有する核分裂爆弾とみられる。北朝鮮はまだ正式な核保有国とは認められていないが、このまま核実験を継続すれば、いずれ認められる日が来るだろう。

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