【今週の眼】太田聰一 慶応義塾大学経済学部教授
おおた・そういち●1964年京都市生まれ。京都大学経済学部卒業、ロンドン大学大学院修了(Ph.D)。名古屋大学大学院経済学研究科教授を経て2005年から現職。専門は労働経済学。著書に『若年者就業の経済学』、共著に『もの造りの技能─自動車産業の職場で』『労働経済学入門』など。(撮影:梅谷秀司)

人手不足傾向の下、若年雇用の状況が表面的には改善するに伴い、40〜50歳代の中年層の雇用問題がクローズアップされるようになってきた。もちろん、これまでも「管理職のストレス」「リストラ」「長時間労働」といった視点から中年層の働き方が取り上げられてきたが、今の関心は少し異なる。それは、以前は「一家の大黒柱」とされてきた中年男性の経済的状況が揺らぎつつあるという深刻な問題だ。

まず、中年男性で職探しをしていない無職の人(非労働力人口)の割合が徐々に増えつつある。政府統計によると、当該世代の男性人口に占める非労働力人口の比率は2015年に約5%となり、40代に限れば過去最高となった。人数も83万人と少なくない。「働いていて当然」という中年男性像は変わってきている。

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