20年は長すぎた

名経営者に訪れた「デッドライン」

鈴木敏文氏には、会長時代の2010年ごろに2度ほどインタビューしました。

年齢を感じさせない的確な受け答えに舌を巻くと同時に、「この人が急に退任するような事態になったら、セブン&アイはどうなってしまうんだろう」と心配になったことを思い出します。

当時は加齢による病気など、体力的な面でマネジメントが急変する事態を想定していましたが、人事案が通らず電撃辞任という意外な幕切れとなりました。

役員の反対を押し切ってセブン-イレブンを立ち上げ成功。その半面で、停滞するイトーヨーカ堂をどうするか、が歴代の担当記者すべての質問の核心でした。

鈴木氏自身、1990年代後半からずっとその問題意識を感じていることがわかります。自分がトップに居座り続ける気もないので、後継者探しが課題であるとの認識も示しています。

判断は的確、また改善策も打っていないわけではない。それでも、15年以上もヨーカ堂を復活させられなかったら、それは「時間切れ」と言わざるをえません。

(週刊東洋経済プラス編集長 山川清弘) (週刊東洋経済プラス編集長 山川清弘)