「出世したくない」世代の出世術

出世の神も、自ら助くる者を助く

高校野球の甲子園大会もいよいよ決勝戦となる今週。昭和シェル石油を巡る出光興産と創業家の対立は収まる気配がありません。

第1特集は新・出世の条件」。ガバナンス強化や働き方改革に揺れる日本企業では、ミドルは業務の負担が増え疲労困憊、昇進すべきポストも合理化で減少ぎみです。管理職の入り口である課長職に的を絞り、出世の条件を探ります。

漫画『課長 島耕作』は人望で出世して現在は会長職ですが、団塊世代の彼の課長時代は日本経済の絶頂期。その後、「失われた20年」や就職氷河期を経て、成功体験に乏しい課長が量産されています。幹部育成のための仕組み作りが求められているうえ、そのプロセスは透明性を高めなければ企業統治強化につながりません。

女性管理職が増えるなど、前向きの変化もあります。が、業務量が増え、成果へのプレッシャーやコンプライアンスへの制約が大きくなる中で、「もうこれ以上は出世したくない」と考える課長が増えているようです。

依存傾向が強いと言われる日本人が出世するには、自分の頭で考える「自立」への挑戦ができる人材にならなければならない、と経営者育成のカリスマ、野田知義氏は言います。

セブン&アイHDの人事案に反対したことで脚光を浴びた伊藤邦雄・一橋大学特任教授は、正論を言い合える職場、ミドルを「明るく追い詰める」環境づくりがリーダー育成に必要だと説きます。

中間管理職として、部下のメンタルヘルスケアも大切。身体面、行動面、精神面の3つのサインを見逃さず、うつ病などを回避してあげましょう。

お盆明けは猛暑に台風、マーケットは円高持続と波乱の日本経済。明日の経営トップはどんな人材でしょうか。

(週刊東洋経済プラス編集長 山川清弘) (週刊東洋経済プラス編集長 山川清弘)