さまざまな社会問題の根本原因に

漂流する非正規労働者

今週号で指摘した正社員の出世競争も大変ですが、より広い視点から見ると、就職氷河期以降は正規社員が減る一方で、非正規社員が膨張してきたことが労働者の格差を広げ、大きな社会問題を生み出しているとわかります。

そこで今回は、2015年4月11日号「貧困の罠」、同年10月17日号「絶望の非正規」から何本かセレクトしてお送りします。

氷河期世代の過酷な現実(ルポ)では、フリーターを抜け出せない40代の生の声を聞きます。ワーキングプアの蟻地獄では、有効求人倍率回復の裏側で増えつつづける派遣やパートの実態を明らかにします。

背景には、専門スキルで転職することが難しい日本型雇用慣行の歪みがあり、昨今では初就職から4割が非正規という現実もあります。

“週休3日で転勤なし”の限定正社員、あるいは非正規公務員といった、一見すると働き方の多様化を歓迎すべきような流れの中にも、よい話ばかりではない実態が見て取れます。

追い込まれる弱者たちに出口はないのでしょうか。

(週刊東洋経済プラス編集長 山川清弘) (週刊東洋経済プラス編集長 山川清弘)