まだ蒸し暑い日もありますが、小売店のショーウインドーはすっかり秋一色。アパレルの秋冬商戦もすでに本格化していますが、序盤を占う9月の売上高も発表されてきました。カジュアルSPA(製造小売業)で国内最大手(世界でも3位)のファーストリテイリングは主力の「ユニクロ」が前年同期比96.6%でした。今回は同社の11年間の軌跡を振り返ります。

柳井氏の社長復帰から現在まで

V字回復から停滞、今期は反発期す

2005年、玉塚元一社長(現ローソン社長)をいわば「更迭」して社長に復帰した柳井正氏。有力な後継者が次々と去り、将来が危ぶまれました。しかし、見事にV字回復を成し遂げ、08年のインタビューでは「2020年に世界一のアパレルSPAになる」と宣言します。

03年に誕生したヒートテックも毎年進化を重ね、低価格ファッション専門店GUも伸びてきます。ただ、12年ごろになると商品陳腐化懸念や中国依存リスクも課題となってきます。

13年にはユニクロでサービス残業の常態化が問題になり、15年夏になると拡大志向に疑問符も打たれます。同年秋には急成長の勢いに陰りが見え始め、16年春には業績予想を一転減益に大幅減額してしまいます。

10月4日に発表された2016年9月の既存店売上高は96.6%。しまむらなど2ケタ減の他チェーンに比べれば踏みとどまっており、今2017年8月期は増収増益を見込みますが、さて。

(週刊東洋経済プラス編集長 山川清弘) (週刊東洋経済プラス編集長 山川清弘)