接戦が続く米国大統領選挙。最後の土壇場までどちらが勝つか分からないデッドヒートの様相です。「世界から孤立しても構わない」と言わんばかりの内向き志向も気になりますが、国内の経済格差など諸問題への対策はどうなるのか。今回は現地ルポ満載でお送りした2年前の特集「分裂する大国アメリカ」を復刻します。

トランプでもクリントンでも解決は困難

経済、価値観、コミュニティの格差拡大

当時は、黒人初となるオバマ大統領の誕生から6年が過ぎ、熱狂から覚めた米国民の現実を見る目が厳しくなっていたころ。富める人口のたった1%と、それ以外の99%の格差がクローズアップされ、リーマンショック以降高まっていた不満が爆発したウォール街占拠運動から3年後。

現地ルポでは、ピケティの格差論に支持が集まる中、はじき出される中間層のリアルな声が集まりました。IT王国シリコンバレーにもその波は襲いかかり(カリフォルニアの夢と絶望)、大都市だけでなく、テキサスやノースダコタ、ジョージアでもが広がっていました。

直前に迫った中間選挙では、2期8年在任の大統領は6年目以降に影響力が低下する「レームダック化」を予見。現在まで続く次期大統領選挙に向けた候補者リストも掲載しています。さらに量的緩和の金融政策が出口に向かった後の実体経済見通しや、アップルなど多国籍企業の租税回避問題などにも焦点を当てています。

エピローグは「景気回復の先にある長期停滞論との対峙」。新大統領は、低成長体質という先進国共通の課題にどう立ち向かうのでしょうか。

(週刊東洋経済プラス編集長 山川清弘) (週刊東洋経済プラス編集長 山川清弘)